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Book Data : フーコーの振り子(上)

『フーコーの振り子(上)』ウンベルト・エーコ/文春文庫

原題 :

IL PENDOLO DI FOUCAULT

翻訳者 :

藤村昌昭

出版社 :

文春文庫

原書刊行年 :

1988

ISBN / C :

4-16-725445-X / c0197

私的分類 :

エーコ

備考 :

Quote

(p.8)
ベルボを憤慨させる唯一のものは、他人の取り乱した態度で、それに対する返礼の意味をこめた彼の取り乱した態度は、あくまでも店の中だけに限られた内輪喧嘩のようなものにすぎなかった。まず唇を固く結んで天を仰ぎ、それからうなだれて首を左にかしげ、最後に穏やかな口調で「シュッポンタップ」と呟く。相手がそのピエモンテの表現を知らない場合には説明することもあった。「シュッポンタップというのは、栓を抜きなさい、という意味で、腫れあがった人間に対して使うんですよ。こういう状態では、お尻に詰めてある栓に異常な圧力がかかっていてどうしようもないですからね、そいつを抜いてやるのです。プシューッ! これで正常な人間の状態に戻れるというわけです」

(p.14)
この世界は無邪気な謎なのだ。にもかかわらず、その謎を恐ろしいものに変えてしまうのは、そこに真実が秘められていると過信してその真実を必死に解明しようとする人間の狂気なのだ。

(p.23、アンパーロの台詞)
「あれは誰だったかしら? ほら、あなたの国の哲学者で、珊瑚で作った角(つの)型のお守りと黒猫のことを話してた人がいたでしょ? 確か『本当ではないが、私は信じる』と言ってたじゃない? わたしはそうじゃないの。信じてはいないけど、でも本当なのよ」

(p.32、アッリエの台詞)
「時間がAからBの方向に向かう一本の線上における経緯だと考えるのは近世の幻想です。BからAに行くことだって可能で、結果が原因をもたらすこともあるのです」

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