Reference Cards in The Library of Tail-Lagoon
Index > 遠い水平線
Il filo dell'orizzonte
白水Uブックス
1986 (1996)
4-560-07115-2 / c0297
身元不明の死体をめぐる物語。──そういえば、『インド夜想曲』は失踪した友人を捜す話じゃなかったか。タブッキはそういう話が得意なのかもしれない。
タブッキの文章にはどうしてかいつも奇妙な静謐さを感じる。これはタブッキ自身のものなのか、あるいは訳者の須賀敦子によるものか。その両方かもしれないが。
不可解なものを尋ね歩く
「そんなわけで、彼はふたたび、不可解なものを尋ね歩くことになった。」
タブッキの小説を旅するということは、まさしく「不可解なものを尋ね歩く」ことなのである。
サマルカンドの人々
これもタブッキの『遠い水平線』からの引用。
「サマルカンドの人々は、この辺とは違ったふうに「人々」なのだろう」
他人・未知の幾何学・偶然
タブッキには、ちょっと哲学的なところもあって、それはたとえば、
「そのとき彼は、どんなものごとも、いずれは解決に到る力をもっていること、そして、われわれがどれほど、他人のうちに自分を見てしまうかについて、考えた。」
「方法はいろいろでも、一見つじつまがあわないようでも、それは、未知の幾何学のように、揺るぎない論理にしたがっている。」
「ものにはそれ自体の秩序があって、偶然に起こることなど、なにもない。では、偶然とは、いったいなにか。ほかでもない、それは、存在するものたちを、目に見えないところで繋げている真の関係を、われわれが、見つけ得ないでいることなのだ。」
などという表現にも見て取れる。高い透明性をもちながら、しかもけして浅くはない。