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Book Data : 火星のタイム・スリップ

『火星のタイム・スリップ』P・K・ディック/ハヤカワ文庫

原題 :

Martian Time-Slip

翻訳者 :

小尾芙佐

出版社 :

ハヤカワ文庫

原書刊行年 :

1964

ISBN / C :

4-15-010396-8 / c0197

私的分類 :

ディック

備考 :

★★★

登場人物・場所・用語など

ジャック・ボーレン
修理業技術者。分裂病の再発を恐れている。
レオ・ボーレン
ジャックの父。投機家。
シルビア・ボーレン
ジャックの妻。分裂病との関わりを恐れる。
デイヴィッド・ボーレン
ジャックの息子。成績優秀。
ノーバート・スタイナー
ジャックの隣人。ドイツ系。自営業。健康食品と闇食品(密輸品)のセールスマン。自殺。妻と四人の娘、そして息子(アルフレッド)。
アルフレッド・スタイナー
ノーバートの息子。自閉症(分裂病)でB・G・キャンプに預けられている。予知能力者(時間感覚の異能者)。
ガビッシュ
腐敗(死)の根源。
ガブル(動詞)
ガブルする主体はガブラー。
オットー・ジット
スタイナーの部下。
ミスタ・イー
ジャックの雇い主。中国系。
アーニイ・コット
水利労働者組合長。ルイスタウン。水不足の火星での大物。
アン・エスターヘイジイ
アーニイの元妻。政治運動家。
サム・エスターヘイジイ
アンの息子。精薄児。庶子。父親はアーニイ・コット。
ドリーン・アンダートン
アーニイの情婦。ジャックとも関係。弟が分裂病者のため、ジャックの容態を理解。
ブリークマン(一般名詞)
火星原住民。
ヘリオガバラス
アーニイの料理番。ブリークマン。通称ヘリオ。
B・G・キャンプ(ベン・ガリオン・キャンプ)
異常者収容施設。イスラエル(ユダヤ)系施設。
ミルトン・グローブ博士
精神科医。
パブリックスクール
多数のティーチング・マシン(機械仕掛けの人形教師)が子どもを教育する。

Note

(091116)
狂気というのは、ひとつの才能である。人は誰でも望んで狂気を手に入れられるわけではない。狂気を望んだところで、狂気はやってこない(例えば、アンドレ・ブルトン)。狂気は人を選ぶ。狂気は、狂気に選ばれた人間だけが持つことができるのだ。

P・K・ディックは天才だ。『火星のタイム・スリップ』を最初に読んだのがいつだったか? 時期も(もしかしたら20年ほども前のことかもしれない)内容も覚えていない。ただ、何か黒ずんだ不安な雰囲気だけが、漠然と痕に残り続けた。今、再読して、改めてこの小説の恐ろしさがわかった気がする(そして日野啓三との近しさも)。20年近くかけて、ぼくは漸く、ほんの少しだけ、狂気の側に近づくことができたのかもしれない。

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