登場人物・場所・用語など
- ジャック・ボーレン
- 修理業技術者。分裂病の再発を恐れている。
- レオ・ボーレン
- ジャックの父。投機家。
- シルビア・ボーレン
- ジャックの妻。分裂病との関わりを恐れる。
- デイヴィッド・ボーレン
- ジャックの息子。成績優秀。
- ノーバート・スタイナー
- ジャックの隣人。ドイツ系。自営業。健康食品と闇食品(密輸品)のセールスマン。自殺。妻と四人の娘、そして息子(アルフレッド)。
- アルフレッド・スタイナー
- ノーバートの息子。自閉症(分裂病)でB・G・キャンプに預けられている。予知能力者(時間感覚の異能者)。
- ガビッシュ
- 腐敗(死)の根源。
- ガブル(動詞)
- ガブルする主体はガブラー。
- オットー・ジット
- スタイナーの部下。
- ミスタ・イー
- ジャックの雇い主。中国系。
- アーニイ・コット
- 水利労働者組合長。ルイスタウン。水不足の火星での大物。
- アン・エスターヘイジイ
- アーニイの元妻。政治運動家。
- サム・エスターヘイジイ
- アンの息子。精薄児。庶子。父親はアーニイ・コット。
- ドリーン・アンダートン
- アーニイの情婦。ジャックとも関係。弟が分裂病者のため、ジャックの容態を理解。
- ブリークマン(一般名詞)
- 火星原住民。
- ヘリオガバラス
- アーニイの料理番。ブリークマン。通称ヘリオ。
- B・G・キャンプ(ベン・ガリオン・キャンプ)
- 異常者収容施設。イスラエル(ユダヤ)系施設。
- ミルトン・グローブ博士
- 精神科医。
- パブリックスクール
- 多数のティーチング・マシン(機械仕掛けの人形教師)が子どもを教育する。
Note
(091116)
狂気というのは、ひとつの才能である。人は誰でも望んで狂気を手に入れられるわけではない。狂気を望んだところで、狂気はやってこない(例えば、アンドレ・ブルトン)。狂気は人を選ぶ。狂気は、狂気に選ばれた人間だけが持つことができるのだ。
P・K・ディックは天才だ。『火星のタイム・スリップ』を最初に読んだのがいつだったか? 時期も(もしかしたら20年ほども前のことかもしれない)内容も覚えていない。ただ、何か黒ずんだ不安な雰囲気だけが、漠然と痕に残り続けた。今、再読して、改めてこの小説の恐ろしさがわかった気がする(そして日野啓三との近しさも)。20年近くかけて、ぼくは漸く、ほんの少しだけ、狂気の側に近づくことができたのかもしれない。