Reference Cards in The Library of Tail-Lagoon
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Notturno Indiano
白水Uブックス
1984 (1991)
4-560-07099-7 / c0297
(p.81) ペソアの詩の一節
盲目の知識は不毛の土壌しか作らない。狂気の信仰は自分の祭儀の夢を生きるだけで、あたらしい神はただひとつの言葉にすぎない。信じてはならない。あるいは求めてはならない。すべては神秘だ。
(p.110)
過ぎ去った現実は、大体において、実際にそうだったよりも改善される。記憶はおそるべき贋作者だ。その気がなくても、時間の汚染は避けられない。
Antonio Tabucchi 1943-
このあいだレンタルで映画を見てから気になっていた作品の原作。映画を見てから原作を読むと原作にがっかりし、原作を読んでから映画を見ると映画にがっかりする、というのはよくあることだけれど、この『インド夜想曲』は映画も悪くなかったけれど原作の方がいいな。大筋では映画は原作に忠実だが、映画に出てくるペーター・シュレミールのエピソードは原作では別の話になっていたし、映画に出てこないエピソードもあって、総じて原作の方が濃密な神秘性を醸し出していると言える。でも、映像による印象というのもあなどりがたく強いものだから、映画のあの夜の世界の光景(それが昼間でも)とでも呼べるような映像が、原作を読んでいるときも頭にちらついてならなかった。タブッキって、現代作家なんだね。モノクロームな映画の印象もあって、ぼくはもう少し古い人かと思っていたのだけれど、実はこの作品は1984年に上梓されたものだし、作家は1943年生まれだ。機会があれば、他の作品も読んでみようと思う。(東京 ─鳥取間の車中で読了)
※モノクロの印象があったのに、映画もカラー!